「秋季に出会って、
秋季に惹かれて付き合って、
秋季との思い出が増えていって、
毎日が秋季ばかりだったのに、
出産報告を受けてから、姐さんのこと、
考える時間が増えたんだ」
「うん」
「あの日も、
おめでとうの代わりにを聴きながら、
姐さんを好きだった日のことを
思い出していたのも確か」
「…そう」
「だけど」
胸を刺されながら聞くこの話の結末が、
幸せな未来だったらいい。
そんな期待を持ちながら、
私は凛冬と向き合っていた。
いつの間にか。
最初からだったのか。
途中からだったのか。
分からないけど、いつの間にか。
「あの日、秋季を追いかけられなかったのは、
姐さんを好きだったからじゃない」
その次に続く言葉を、
私は知っている気がした。
誰よりも大好きな、凛冬のことだから。
誰よりも知ってる、凛冬のことだから。
私があの日向き合うべきだったのは、
きっと、ここだ。
「そんな風に、まだ姐さんのことを考えてしまう俺が、
秋季を幸せにできるのか不安になった。
秋季を、傷つけるのが怖かった
…かなり、情けないけど」



