「兄貴の奥さんと出逢ったのは、3年前くらい。
俺が高校生の時で。向こうが21とか。
普通に話しやすいなとか、可愛らしい人だなとしか、
思ってないと、思ってたんだ」
「うん」
言いながら、胸が軋んだ。
思ってないと思ってたは、
恐らく 意識、だ。
聞くと決めた覚悟は、ゆらゆらと不安定で。
自分の内側と外側を切り分けるように、
鉄の仮面で、真っ黒な海をみつめる。
「それが、1年前。
兄貴達の結婚式で、自覚した」
シンプルだからかな。
感情がやたらとリアルに聞こえる。
私のキモチと、凛冬のキモチ。
2つが、痛い。
大切な人の、晴れの日に。
気付きたくなかった気持ちに気づいてしまった凛冬は、どんな気持ちだっただろう。
みんなが幸せ一色の中、
そんな気持ちを隠してた凛冬は、
どれだけ孤独だっただろう。
想像して、また痛むのに、
考えてしまう、凛冬の気持ち。
表情までは、みれなかった。
「…好き、だと?」



