キライになりたい曲



「……」


詰まることのない
詰めてはいけないような一定の距離感が、
私と凛冬そのものみたい。


手を伸ばしたくなる背中に
吸い寄せられないように歩いていると、
その背中が振り向いた。

私より少し背の高い凛冬を見上げると、


「これしかないけど、いい?」


そう言って、
フェスでもらったチラシを私にみせてから、
そっと砂浜の上に置いた。


ここに座ってって。



「…いいのに」

凛冬は、こういう人だ。


「せっかくの服、汚れちゃうじゃん」

付き合ってた時も、こんな風に、
些細なやさしさをたくさんくれた。