「まって」
まともに凛冬の顔も見れずに歩き出した私の手を、
懐かしい温もりが引き止めた。
「…っ」
それだけで涙が出そうなんて、
本当に、どうかしてる。
凛冬の顔すらみれずに
「…なに?」
と聞き返した私に
「話したいことがあるから、
今、時間をもらいたい」
そう言って、フェス会場から少し離れた海辺へと
私を誘った。
夏海に一言連絡しようとしたら、
咲桜さんができれば夏海と話したいというから、
そのことも夏海に伝えた。
簡単にしか伝えてないけど、夏海は、
"私の方が話したいことあるんだけど" と、
夏海と咲桜さんは2人でお茶へと向かっていた。
大丈夫かな
なんて気になりつつも、
付き合ってたときとは違って、
そんな気持ちさえも凛冬に話せず
それ以上に凛冬が何を考えてるかが分からなくて、
沈黙のまま、砂浜を歩く。



