キライになりたい曲




唇を噛みしめて黙る凛冬の言葉を、
待つだけ無駄だ。


「…大丈夫。
わかってるから、安心して」

「え?」

「今まで通り、凛冬には連絡しないし、
凛冬が好きなバンドのライブにも行かない。
繋がりは全部経つから、大丈夫だよ」


もう、傷つきたくないの。

一緒にいられないのなら、
これ以上、凛冬を想いたくなんかない。

…痛くて、たまらないから。


大好きなはずの音楽を聴いてても、
ことあるごとに凛冬が浮かんで、
幸せな思い出のすぐあとに、苦しさだけが残る。

どこに逃げたらいいのかわからない。

そんな日々を、この先もなんて歩けない。


凛冬にあって、
咲桜さんと一緒にいるところをみて、
私は過去なんだと悟ったから。



「じゃあね」


凛冬を、凛冬との思い出を、
全部、わすれなきゃ。