キライになりたい曲




だって、たった今想っていた人が、
目の前にいるんだもの。


「…凛冬。

なんで、、?」


なんでここにいるの?

聴ききる前に、凛冬が誰のライブを観にきたかの答えはみつけたけど、知りたいのは、そんなことじゃなかった。


どうして、また、
このタイミングで凛冬に会ってしまったのか。

会えてしまったのか。

凛冬に聞いたって、
答えがみつからないこと。



…たぶん凛冬も同じように思ってる。


「いや、、ライブ聴きに」

気まずそうに、
目を逸らしながら答える凛冬。

私達の間でハンカチが、
行き場がないのに困ってるみたいだ。


「……だよね」


この涙は、
凛冬にだけはみられたくなかった。

凛冬の答えに対して浮かんだ
『この曲すきだもんね』という返しを飲み込む。