私は一度お店から出た。


…なにやってるんだろ。


こうなることは分かっていたのに。


それを覚悟してて今日来たはずなのに。


「なんで泣いてるんだろう…」


私は自分の感情を堪えきれなくて、溢れる涙を拭くのが精一杯だった。


でも、いつまでもこうしてるわけにはいかない。


「…戻ろう」


私は気を取り直して中へ入った。


戻ってみると、もう田中くんが戻ってきていて。


2人は何もなかったようにしていた。


私も何もなかったようにして席についた。


すると杉本くんが声をかけてくれた。


「あっ、瑞花ちゃんお帰り。あれ?目、赤くない?」


「えっ!?」