「それはあまりにベタじゃ……その前に、キャッチボールは1人じゃできないだろう!」


「あれは弟だ。セラちゃんの弟! きっとそうだと信じる!」


「そこからして、敗北は目に見えている気が、」


「わーくーい? 関係ないフリして、実はお前がセラちゃんをひそかに想うロマンチストだってこと、俺はちゃあんと知ってるんだぞ?」


「ひ、日野!」


「いいじゃないか和久井! どう見ても報われないポジションの俺らだって、3人力を合わせれば、あの不動明王にも勝てるんだって見せつけてやろうぜ!

 つーわけで、とりゃ――――っ!」



 ……いつものことながら、馬鹿らしい会話だと思っていれば。



「おい待て、朝桐! そっちの方向は……!」


「へ?」



 ――――ガッ!!