「普段通りに接してるはずなんだけどな」



 一緒に何かをするだけで楽しい。

 そう思うのに、それだけじゃ足りない。


 ――もっと触れたい。


 それは彼女だから願うことで、彼女以外には考えられない。

 だが、運悪く時期が時期だ、今は断念せざるを得ない。

 満月の夜はまた来るのだから……。



「……なぜこんなことを?」


「この間見たんだよ。セラちゃんが公園で楽しそうにキャッチボールしているとこを! これを習得すれば、俺たちのありとあらゆる可能性が肥大する!」


「つまり朝桐は、『共通の特技で話題発展』→『親しくなる2人』→『やがて2人は……』というシナリオを踏んでるわけ」