「……わざわざ人目にさらすようなことをして、アンタは後悔しないのか」


「しないよ。だって私、どこもおかしいところなんてないもん」


「……だけど、どうせ人は外見しか見ないだろ。アンタが普通の女だとしても、外見だけで判断されるのに」


「そうだろうね。でも、それだけでもない」


「何……?」



 爪先に、何かがコツンとぶつかった。



「あ! ボール!」



 高い声が聞こえ、幼い女の子が駆け寄ってくる。

 足元に転がっていたカラフルなボールを拾い、その子に差し出すと、母親と思われる女性が歩いて来て頭を下げた。