「ひとつ、修正しなきゃなんないことがある」



 郁人くんが振り向く。


 じっと私を見つめてくるけれど、その視線はどこか熱っぽい。



「前にアンタのことタイプじゃないって言ったけど前言撤回。……セラは可愛いと思うよ」


「え」



 その言葉を理解するより先に、郁人くんの視線を若葉くんが遮った。



「悪いけど、彼女は渡さないよ」


「は? いつからセラはアンタのものになったわけ?」



 わ、若葉くんに食って掛かった!?


 目の錯覚かと信じたかったけど、まばたきしても、腕組みをして若葉くんを見上げる挑発的な視線はそこに。