「聡士~? お前、まーたやってくれちゃったらしいなぁ?」


「我慢しろって言うなら無理な話だよ。今日は満月だから」


「そう簡単に言うけどなぁ、昔お前に殴られた研究者が、三日三晩目を覚まさなかったことを忘れたわけじゃないだろう! 少しは進歩したらどうなんだ!」


「じゃあ言うけどね! そっちがちゃんと仕事しないからこうやって命の危険に晒されたんだろ! セラちゃんのためだったらいつもの1000倍はやる気出すって言ったのはどこの口!?」


「あのなぁ、こっちだって証拠とか令状とか色々と手続きがあるんだ! だから、」


「だから今日は無理だったって言うの? へぇそう! 父さんならもっとやってくれると思ったのにな! 幻滅したよ!」


「ぐはぁッ!」



 見るからに大ダメージを被った刑事さんをよそに、すたすたと戻ってきた若葉くんへ、声をかけてみる。