「郁人くん! しっかり!」


「……俺はいい、から、堀川の手当てを……」


「えっ」



 セラが辺りを見回し、ややあって倒れている堀川を見つけた。



「彼? ……やだ、すごい怪我じゃない!」


「息はあるみたいだけど……意識がない。危険だね」



 堀川の呼吸を確認した若葉が、携帯を取り出す。



「八神さんに連絡をするから、もう少しの辛抱だよ」


「大丈夫、私たちがついてるわ!」



 俺は薄く笑い返した。



 セラたちが来て、ホッとしたのは確かだけれど。


 ……安心しきれないなんて、言えない。