「ちょっとあなた、郁人くんに何てことしてるんですかっ!」 目を見開く。 近づくふたつの影。 そのうちのひとつ。 夕暮れの光に煌いた金髪。波を打つような長い髪。 男とは正反対の、澄み切った空のような瞳で自分を見る少女は。 「セ……ラ……」 強張った身体の力が、抜ける。 「郁人? このガキ、霧島郁人か。コイツを痛めつけると面倒なことになるな。……仕方ねぇ」 ふっと、首を絞めていたものが外れる。 「郁人くんっ!?」 セラに支えられながら、見た。 自分たちには目もくれず、立ち去る男の姿を。