地面を見つめて歩いていた。



 どこまでも続く道。


 果てしなく、終わりがない。



 自分は今、何をするために歩いている?


 何のために……。





「ふざけんな! 話が違うじゃないか!」





 現実に引き戻された。


 見回すけれど、人の姿は見えない。


 だが聞き間違いではない。若い男の声だ。



「金髪の女を襲ったらそれでいいって話だっただろう! あの男と会わせろ!」



 何の話だ。


 それに、この声……。



「ぐっ!!」



 ドサッ……。



 反射的に音のほうへ顔を向ける。


 見渡しのいい広い河川敷があって、人影を見つけたのだが……。



「……堀川っ!?」