「いつまでそうやって反抗しているつもりだ?」



 ……沈黙。


 いくらやってもこの調子だ。埒が明かない。



 宗雄はため息をついて、部屋の前から立ち去ることにした。


 廊下を3歩も行かぬうちに女が姿を現す。



「さゆりか」


「どうなんです~? 隼斗くんの様子」


「相変わらず、だんまりだ」


「今回は大きな喧嘩だったみたいねぇ。思ったよりも大騒ぎになっちゃってー」


「まったくだ。アイツにはほとほと呆れ果てる。よくもこう次から次へと反抗するものだ」



 小さく毒づき、顔を逸らす。


 その際舌打ちを忘れない。