「郁人くん……」



 辺りを見回す。

 夕陽が落ちきった状態では、遠くまで見渡すことは困難だった。


 どうしよう……焦りだけが前に出る。



 ふいに、肩に触れられる感触がした。



「探しに行こう。夜なら任せて」



 そう言ってくれる若葉くんの瞳は、頼もしい光を帯びているように思えた。