「勿論!」

怒りに打ち震えながら、セシルは振り向いた。

「奴を…黒十字 邪悪を追います!」

「馬鹿者!お前一人行って何になる?死体袋を新しく増やすだけだ」

「っ…!」

悔しいが、部隊長の言う通りだろう。

化け物としての高い知覚を駆使して、邪悪は何処にいてもセシルの行動を把握する。

恐らく彼女の殺気や気配を感知し、狙撃位置さえも察知するのだろう。

人間とは、持って生まれた能力からして違う。

どんなに優れた銃を持っていても、邪悪を狙撃する事は不可能だった。