「河内?」

「なんだ由真?」

「やっぱなんでもない」

「なんでもない?」

「うん」

「なんだ〜」

「ごめん」

「ん?」

「なんでもないから」

その後は、沈黙が続いた、

沈黙を破ったのは、由真だった。

「河内、私ね……南のところに泊まりたいんだ…」

河内は、肩を少しだけ震わせた。

「由真… 由真がそれでいいなら」と小さく河内は、呟いた。

「いいの?」

「うん…」

「ありがとう!」と由真は、河内の手を掴んだ。