あっ、綺麗。
桜が満開。
去年は鳥が花の蕾を食べてしまって桜、咲かなかったから。
2窓向こうにはエマさんが私と同じように桜を見ている。
いつもと違って穏やかな表情。
桜最高!!
「桜好きなの?」
エマさんに向けて声をかける。
声をかけられるとは思っていなかったのか、思いの外驚いた顔をしている。
「クラスメートと話すより好き」
…それは私のことかい?
今日もダメか。
ちょくちょくエマさんに話しかけるのだか相手にしてもらえない私。
《また今日も同情心からなら、話しかけないでほしい》
私ってそんなふうに思われてるんだ。
自業自得だけど。
「私も一緒。人付き合いは難しいもの」
いかにも意外という顔を残して彼女はクラスに戻った。


