まだ唇に残る熱。

そっと指を押し当てると、あの時のことが思い出されて、頭が悶絶しちゃう。

大和にされたキスが頭から離れない。

熱くて、苦しくて、そして甘い。

まだ顔が、体がほてってる。

「…さく、お前の唇柔らかい。」

唇を離したあと、自分の唇を舐めながらいたずらっぽい笑顔で言った大和。

その顔に、心臓がドクンとなるのが自分でもわかった。

小さい頃から知ってて、ずっと幼なじみだった大和の知らない一面。

いつからあんな顔で笑うようになったのかな。

あんな、色気みたいなもの…

「あー!もう!」

もう!バカ!

「さーくらこ!ご飯って何度言わせるの!冷めちゃうでしょ!」

いつの間にかお母さんがお怒りモード。

私は急いで下に下りる。

「えっ、なんで!?」

リビングに入って、ダイニングテーブルには…

「お前、すっげえ寝ぐせ!」

私の髪を見て爆笑する、悪魔。

「な、なんで大和が!?」