「とりあえず……俺はここから、逃げようかな って思ってる。
どれだけ、強がったことを言っていても やっぱり怖いから……逃げさせてもらうな。」
転送の言葉を唱えれば、俺は ここから出られる。
そのことを思い出した……俺がJokerであることはバレてしまうけれど、仕方ないか。
そのまま、逃げれば……バレタとしても殺されない。
「向流が 死を怖がっているのは知っている。
だから、逃げたがるのも分かる……けれど、自分の罪に対する罰を受けることも大切なことだと思う。」
林猫らしいと思う。
「でも、俺が受ける罰は死刑……俺が人を殺したのは事実だとしても 俺はその罪を受けたくない。」
「自分勝手だな、自分が死ぬのは怖いけど 人が死ぬのは構わないなんて。」
これは、挑発だ。
この挑発に乗るのは よくない。
「そうだ、俺は自分勝手だ。
醜い自分の首に執着しているくだらない野郎だ。
だとしても……」
林猫が口を開いたけれど無視して、続けた。
「俺、全能だから。」
転送の言葉を唱えた。
