バンパイアの裁判では、裁かれる者は 裁判場の中央に 拘束されることになっている。
その近くに 各グループのリーダー。
それを取り囲むように、観客が座っている。
「まぁ、殺人だからな。
最悪、ちゃんと面倒 見れていなかった俺も殺されるみたいだ。
俺が死ぬのは別に構わないが、向流は死にたくないんだろ⁇
俺に罪を着せてくれてもいいんだが……、それは後味が悪いだろ⁇」
「そんなこと、してくれなくていいっ‼︎
俺1人が死ねば いいんだ。
頼むから、俺のために命を捨てたりするのは やめてくれ。
もし、林猫も殺されそうになったら その分も俺が殺される。
俺が2回 殺されるから、林猫は生きて欲しい……。」
林猫は日頃から、
『俺は 色々なことが起こる可能性も覚悟の上で、リーダーをしているんだ。
仲間の罪を擦りつけられて 死ぬことになったとしても、仕方ない……そう思っている。』
と言っているけれど、俺は 自分の命を大切にして欲しいと思っている。
しかも、俺が起こした犯罪の責任を林猫が負う必要なんて ない。
俺 1人が裁かれればいいと思う。