現在。 十数年前の少年は、立派な青年になっていた。 綺麗で肩の辺りまで伸びた金髪。 着崩した制服。 いわゆる、不良の部類。 そんな彼"水無月 爽"は、クラスでの人気者だった。 「水無月君……。」 忍び寄る、小さい影。 「ん⁇ 琴……か⁇」 爽は振り向かずに応える。 彼女 "琴野 彩葉"は、爽のクラス2-8の学級委員。