「……ねぇ……水無月君⁇

もう少し……こうしてても……いい、かな⁇」

彩葉が嗚咽を挟みながら、言った。

「おう。」

爽は返事とともにもう一度、強く抱きしめた。

何分の時間が経ったのだろう。

しばらくしてから、彩葉は

「……ありがとう、もう 大丈夫だから。」

そっと爽から離れた。

「これからは、俺を頼ってくれよな。」.

そう言って、彩葉の頭を撫でた爽の表情は今までになく 優しかった。