「バカだなぁ!!!」 「……は?」 まさかそんな言葉が来るとは思わず、詩音は口をあんぐりと開けた。 叶亜が「はははっ」と笑いながら、先を行ってしまう。 普通あの流れで「バカだなぁ!!!」なんて言うの!? てっきり、「優しいな」とかそんなのだと思ってた。 いやいや待て待て。 相手はあのドSの毒舌野郎だ。 そんな言葉があの人の口から出てくるわけない。 出てきたら逆に怖いけど。 詩音が頭の中であれこれ考えてると、叶亜が振り返った。 「君にひとつ。良いことを教えよう」