* 警察署からの帰り道。 詩音は必死に葵から話を聞き出していた。 「本当に舞におかしな様子はなかったの?」 「なかったわよ。舞は当日大学を休んだけど、それ以外におかしなところなんて……」 そのとき、葵のカバンの中の携帯電話が着信した。 慌てて葵が携帯電話の通話ボタンを押す。 「もしもし。……あ、うん。大丈夫。心配しないで。平気だから。……うん。じゃあね。ありがとう」 短い電話を終えると、葵が嬉しそうに携帯画面をみつめた。 その携帯画面に表示されていた名前は、『山崎光』。 舞の恋人!!