「私は君の足枷(あしかせ)でしか──」

「俺は──! 俺は、お前と旅がしたいんだ」

 最後まで聞く気になれず声を荒げて話しを遮った。

 お前も父母のように煩わしく俺を諭そうとするのか。

「親なんかくそくらえだ」

「ラーファン!」

 吐き捨てて出て行く影に手を伸ばす。

 何を怒らせてしまったのだろうかと憂虞(ゆうぐ)するも、自分が役に立つなどと思えないのは真実だ。

 それでも言い過ぎたのかもしれない。

 明日はちゃんと謝ろうと暖炉の火を消し寝床についた。