でもこのお願いを聞かなければもうグループに入れないのじゃないか
そんな不安が正義よりも是非判断よりも
何倍も勝っていた。


だってこの子たちといれば、下に見られることもない
なめられたりしない。ヒトリで何もできない私は
こうして人の影で物を言う権利を持たなければ
何かに押しつぶされてしまう気がして...



「いいよ」


そういつものように返事してしまった。



このあと足は重もかった
何歳とやるのだろうか、それに初めては激痛と聞く。
初めては好きな人と決めていたのに。



不安がよぎる、ココロが弱い私に泣けてくる
視界が滲む。誰か助けてと言えずに唾を飲む。



ホテルは54階の最上階、ビップな人だとわかる。

もういい...そう思ってエレベーターに乗り込もうとした瞬間。



「どこに行く」