ダンデライオン

「きゅ、急ですね…」

そう言った私に、
「私も入社して今年で5年目ですから当然のことです」

徳井さんが返した。

「仕事はもちろんのことですけど、浅井さんよりも素敵な人を見つけて幸せになろうと思っています」

話が終わったと言うように、徳井さんは椅子から立ちあがった。

「本当に、申し訳ありませんでした」

徳井さんはまた頭を下げて謝った。

「あの、もういいですから…」

そう言った私に徳井さんは頭をあげた。

「お大事にしてください。

もう会うことはないと思いますので」

そう言ってドアの方へと向かった徳井さんに、
「さようなら」

私が言ったら、
「さようなら」

徳井さんは言い返した後、病室を後にした。