「お父さん、大丈夫かしら?」

今この家にいるのは、私と忍兄ちゃんの2人だけだ。

お父さんはお祭りの準備と後片づけをするために出かけている。

遠くの方から聞こえたから、すぐに雨は降らないと思うけどなあ…。

そう思った時、外からポツポツと音が聞こえた。

窓の外に視線を向けると、ザーッと雨が一気に降り出した。

バケツをひっくり返したような雨にあわせるように、雷が鳴り出した。

「きゃっ!」

私は両手で耳をふさいだ。

夕立、だったらすぐに雨は止むよね…?

激しく降っている雨が激しく屋根をたたいている。

雷の音が近づいてくる。