「おじさんは?」

忍兄ちゃんが食卓を見回すと聞いてきた。

「お父さんなら、さくらちゃんのところよ。

今日は横町の集まりがあるんだって」

私は忍兄ちゃんの質問に答えた。

「横町の集まり…ああ、今月の真ん中くらいにやる夏祭りのことか」

忍兄ちゃんは思い出したと言うように呟いた後、椅子に腰を下ろした。

「久しぶりに夏祭りに出かけて見ようかな?」

そう呟いた後、忍兄ちゃんは私に視線を向けた。

「なっ、何よ…」

向けられた私は戸惑ってしまった。

「いつまでカレンダーの前にいるの?」

そう聞いてきた忍兄ちゃんに、私は慌てて椅子に腰を下ろした。