人間は人とは違うことに憧れるが、そんなもの無い方が幸せであるらしい。



照りつける太陽。


ギラッギラの日差し。


紫外線も容赦ナシ。


今年の夏は、例年以上の猛暑になりそうです……なんて。


「あついよ〜〜〜。六ぅ〜〜」


別に、言ったから涼しくなるわけでもなく、結局は自己主張の自己満足の自己完結。


「ああ、俺も暑い」と軽く流されてしまった。



私と六はホームズの残留思念から、ホームズが《たま》を見かけたと思われる場所に行ってみる事にした。


ダメ元で一緒に探したいとか言ってみると、『邪魔しないなら』とすんなり許可してくれた。


意外と大ざっぱな探偵らしい。



「あ、そうだ!」


「何だ?」


一歩先をいく六が、首だけ後ろを向く。


「さっきも言いましたが(ちょっと膨れてみた)、私が話す前に猫好きって分かってませんでした?」


「……顔に出てた」


もう、推理もへったくれも無かった。


でもってこの人には感情というスバラスィものが欠如しているのか、まだ一度もしわの寄った眉間が平らになった所を見ていない。


(この人に一番『Smile!』が欲しいわよ!)


素で。


「着いた。ここだ」