「でー、お金の事なんですが……」


『学生さんは金が無い』とはよく言ったものだ。


別に学生に限定する必要があるか否かは知らないけど、少なくとも私にお金は少なくなくもない。


回りくどっ。


「そんなの後回しでいい。要は俺が楽しめるかどうかだ」


(絶っっっ対儲かってないな、この人)


「だが……」


一瞬、仏頂面がホントに笑ったかと思った。


六はスパッと立ち上がるとうちわを投げ捨て、倒れてるドアを踏みつけながら階段へと向かった。


「引き受けたからにゃ、あんたに《Smile!》取り戻してやるよ」


「あ―――」


Smile!探偵事務所……そういうことか。



「で。あんた名前は?」


「……」



えぇ〜