艶麗な夜華

「毎日?想像しただけで具合が悪くなるな」



「えっ?」



顔を上げると恭也が隣に座る。



「ホストなんてやってられっかよ。


第一店はどうするんだよ?」



「店って……メフィストフェレスの事?」



「あぁ」



「えっ?辞めるんじゃないの?


今のお店一本でやっていくんじゃないの?」



「そんな訳ねぇだろ?


俺は今まで通りあの店を続けるさ。


とりあえず毎日クラールハイトに顔は出すし、


落ち着くまでは接客を手伝う事もあるけど、


それも最初だけだ。


あとはヤス、キン、ロウ、ヒロキに代わる代わるバーとクラブを行き来してもらう。


毎日女にベタベタされて、


いろんな事を求められてはディストレスを引き起こしそうだ。


仕事とは言え、お前以外の女の隣には座りたくもない」



「恭也……」



急に気持ちが落ち着き、


力が抜ける。



恭也はあたしを見て少し笑うと、


顔を覗かせた。



「安心したか?」



「えっ?」



「お前、店に居る時相当いじけた顔してたぞ?」



顔に出てたなんて知らなかった。


いや、それよりも……恭也があたしを見ていたなんて、


まったく気がつかなかった。


接客をしながらも気にかけてくれてた事が嬉しくて、


思わず笑みが零れそうになるけれど、


恭也が悪戯っぽい笑顔であたしを見るから、


なんだか素直になれなくなってしまう。