艶麗な夜華

マスターは顔をしかめ、


煙草を灰皿に押し付ける。



「そんな…」



「特に親父の方は、育てるのに金が掛かると何度も口にし、


恭也を毎日クタクタになるまでこき使った。


アイツが引き取られたのは小学4年生の時だそうだ。


友達と遊ぶ事もせずに、


本当気の毒だ。


そんな中、毎日金金と言ってはこき使う里親に、


恭也はいつか自分に掛かった金を、


まとめて返そうと思い始めた。


アイツはたしかそれを、投げつけるって表現してたな。


そこからが凄いんだよ」



マスターはまた煙草に火をつけると、


笑みを浮かべながら話す。



「恭也が俺の店に面接に来た時、


俺はアイツが出した履歴書をみて、


正気か?って驚いたよ。


なにせそこには、とんでもない大学名と一流企業の名前があったからね」



「えっ…」