艶麗な夜華

恭也は店内を見渡し、


少しはにかんだ笑顔をすると下を向く。



「クラールハイト。


お前を想った時、それ以外の店名は浮かばなかったよ」



「ク、クラールハイトってどういう意味?」



「透明」



その言葉に店を見渡した。



ボックスを仕切るいくつものエアーパーテーション水槽。


壁に飾られたクリスタルの置き物。


グラスとボトルが並ぶ、


透明度の高いアクリルシェルフ。


そして、綺麗な熱帯魚が泳ぐ目の前の大きな水槽。


「クラールハイト……


あたしを思ってつけた店名……


どうして透明?


どうして……あたしを思って?」



「バカみたいに真っ直ぐで正直で素直で、


かげりのないお前は……無色透明、


そんな印象だったからさ。


俺は、お前のそういう所に助けられた。


純粋でまったく汚れていないお前と居ると、


気持ちがゆっくりしたんだ。


この店はそんな落ち着ける雰囲気にしたかったのさ」



「恭也……」