艶麗な夜華

恭也の手が肩に触れる。



「嫌だ!聞きたくない!なにも聞きたくない!」



その顔を見る事ができなくて、


次に恭也から出る言葉が、声が、怖くて仕方ないのに……



「これじゃあ、今話すしかねぇじゃねぇかよ」


その声は少し呆れてるような感じで、


顔を上げるとそこには、


困った顔であたしを見ている恭也。



「ん?」



なにか違うと思って小さな声を漏らすと、


恭也はあたしをその場に立たせ、


そっと頬に手を触れた。



そして……








「お前が好きだ」









って……。










さっきはなにも感じなくなって欲しいと願ったのにそれが叶わなくて、


なのになぜか今は通り過ぎる風の冷たさも、


揺れる木の音も、なにも感じなくてなにも聞こえない。




「ごめん恭也……あたし、なんか立ってられない……」



地面に座り込み、どこを見る訳でもなく呆然とするあたしの隣にしゃがむ恭也。



「大丈夫……か?


なんか、言わない方がよかったみたいだな……」



心配そうな顔で覗き込む恭也に、


ようやく感情が戻ってきたあたしは、


慌ててそれを否定した。



「えっ!ち、違うの!


嬉しいよ凄く!凄く嬉しいけど、


嬉しがり方?嬉しがりや方?嬉しが…かり?


嬉し、う、うし…」



「待て!お前の言いたい事はわかった!


まず一旦深呼吸しろ」



「あっう、うん。ふぅ~」



「あはははははっお前本当、はははははっおもしれぇ~の!」



今までに見た事がないくらい恭也は笑って、


本当に可笑しそうにするからあたしまで笑ってしまって。



「ははははっ」



「あはははっ」




そして急に静かになって、


あたしはまた今の状況が信じられなくなって。



「あたし……恭也と一緒に居れるの?


恭也はあたしの傍に……居てくれるの?」



なんて言葉を口にしていた。