艶麗な夜華

休みの今日は、店とは違う整髪料が一切付いていないサラサラの長い髪。



恭也は空を見ながら話す。



「今日は雲がまったくないから星がよく見える」



その言葉に空を見上げるとたくさんの星。



「本当だぁ」



「ただこの時期は目立った天体がないから、


望遠鏡を使わないとあまり楽しめないけどな」



「ねぇ恭也?」



あたしは一番に目についた星を指差す。



「ん?」



「あの星、大きくて一番目立つオレンジ色の星。


あれって前に見た、


なくなっちゃうかもしれない星?」



「あれは、うしかい座のアルクトゥールス。


それで、その下にある白い星がおとめ座のスピカ。


アルクトゥールスから目線を上に持っていくと、


お前が知っている星があるだろ?」



「ん?あたしが知ってる……あっ!北斗七星!


ん~と、ん~とクマのシッポ!」



「はははっ」



笑顔で振り返るあたしを笑う恭也の顔が凄く優しくて、


だから急に……悲しくなってしまう。



こうして2人で居られるのはあの日の約束があったからで、


もうきっとこんな約束を交わす事なんてなくて、


ホストクラブがオープンしたら、


恭也はまたいつもの厳しい恭也になって、


そしてそこにあたしは……居なくて。



「ねぇ恭也……」



空を見上げながらその名前を呼んだ。



「なんだ?」



でも、言葉を口にしたら涙が出そうで、


なにも言えなくて。



「ううん…」



なのに恭也は、あたしを不安にさせる事を言う。



「なぁ沙希?店が無事にオープンして、


ある程度落ち着いて先が見えるようになったら、


お前に話す事がある」