艶麗な夜華

恭也の静かにも強い口調には、


ブレイブの代表の思いが込められているように感じた。



翼はカウンターに組んだ手を乗せると、


少しうつむきゆっくりと話し始めた。



「俺は自分の立場や大切な人を守る為に、


……代表を裏切りました。


大切な人を守る為なんて言い方をすれば、


かっこつけているように思われてしまいそうですが、


俺は本気で彼女を……守りたかった……」



苦悶の表情を浮かべ、


組んだ手を固く握り締め言葉を詰まらせる翼。


相当に辛い事があったに違いない。



恭也はグラスにウーロン茶を注ぐと翼の前に置いた。



「ゆっくりでいい」



「すみません」



翼はウーロン茶を一口飲むと、


話しを続ける。



「彼女とは、今から1年前に知り合いました。


ブレイブに客としてきた彼女は俺を指名し、


そして頼んだ飲み物はソフトドリンク。


酒が飲めないんだと、


なぜか凄く悲しい顔で話す彼女に、


俺はその訳を問いました。


すると彼女は小さな手を胸に当てて、


此処、心臓が悪いのって……」