艶麗な夜華

翔からとりあえず事の詳細を聞き、


時間は2時半。



「気をつけてね」



「あぁ。またなにかわかったら連絡するよ。


ねぇ沙希?」



さっきからずっと呆然としたままのあたしを心配する翔。



「ん?」



「大丈夫?」



「うん…」



「っていうか……沙希、前に好きな人が居るって言ってたよね?


それってもしかして……ビルの……オーナーの事?」



「えっ…」



翔は首を傾げ、真顔であたしを見ている。



「自分には関係ない事なのに、


凄く深刻そう……だから……」



なぜか素直に言葉が出た。



「ただの……片思いなんだけどね……。


もう、とっくにフラれてるし」



「やっぱりそうだったんだ。


この前からね、そうじゃないかなぁって思ってたんだ。


でも、フラれちゃったなら俺が沙…」



「翔、あたし……本気なんだ。


そんな簡単な気持ちじゃないの……」



自分の思いを口にした瞬間涙が溢れた。



ずっとそっけなくて冷たい恭也。



この前は、あんなに傍に居たのに……



「沙希……」



「ごめん翔……翔の気持ちにこたえる事はできないの……」



流れ出す涙に、翔があたしの頭を撫でる。



「わかったよ、もう泣かないでよぉ。


俺、沙希ちゃんを泣かせようとした訳じゃないんだごめんね。


沙希?俺、ちゃんと沙希に協力するよ!


頑張って翼さんから情報聞きだすし、


沙希の為になんでもするからさ!」



あたしを慰めようと必死な翔。



前から翔はそうだった。



凄くバカで凄く優しい人。



あたしは翔の肩に顔を埋めると小さくうなずいた。