艶麗な夜華

彼女は設計図をテーブルの上に戻すと、


恭也に身を寄せる。



「あのね、段差はない方が安全だけど、


通路から客席に入る此処の部分」



「あぁ」



「此処には2段くらいの階段を付けた方がいいと思うの」



恭也は眉間にシワを寄せヒカリさんの顔を見る。



「階段……どうしてだ?」



ヒカリさんは恭也の顔を下から覗き込むような形で話し始めた。



「常にホスト達はお客様をエスコートするでしょ?


来店時も退店時も。


階段は障害になるし、


ヒールを履いている女性や、


酔っている女性には危ないけれど、


その分ホスト達のエスコートは手厚くなる。


人によってはそれが嬉しくて、


わざとおぼつかない足で階段を上がる子もいるかもね!


女の子は、男の人に体を支えられたりするのは、


守られている気がして嬉しいものよっ」




恭也は背もたれに寄り掛かると腕を組む。



「なるほどな」