「悪いなヒカリ。呼び出しておいて待たせてしまって」



「今来たばかりよ待ってないわ。


ねっ!」



ヒカリさんは笑顔であたしを見る。



「は、はい」



恭也は椅子に掛けられたヒカリさんのコートを手に取るとクローゼットにしまった。



「ありがとう恭也」



「あぁ。それよりまずは、


おめでとうヒカリ」



恭也の言葉に照れくさそうな笑顔を見せるヒカリさん。



「ありがとう」



結婚した事知ってるんだ……恭也。



「毎日客から連絡がきて大変だろ?」



「そうね。でも、気を遣って逆に連絡してこない人もいるから、


思っていた程じゃないけどね」



「そうか」



恭也は鞄から折りたたまれた紙を取り出すとテーブルの上に置く。



「それが設計図?」



「あぁ」



あたしがまだ見た事のないそれをテーブルの上に広げると、


ヒカリさんの隣に座る恭也。