艶麗な夜華

「うわっ!沙希ちゃん……あ、あの…」



動揺する翔をよそに、


もう一度鏡の中の自分を見る。



すると自然と笑顔になり、


翔が元カレで良かったと心から思った。




時間は5時15分。


忠実な翔は約束の時間を1分も遅れる事なく、


ちゃんと5時に到着。


それから15分。


たったそれだけの時間で出来たとは思えないアップヘアは、


編み込み、四つ編み、ロープ編みと、


3つの編み方で作られているらしく、


ふんわりと仕上がったその髪型には華やかさもある。



「凄いよ翔!明日もお願いねっ!」




笑顔のあたしを見て嬉しそうにする翔はまるで犬。



「うん!いいよっ!


明日はここら辺に」



翔は鏡の中を覗くと、


左耳の上を指差す。



「うん」



「髪の毛で花を作って飾りみたいにするよ!」



「えーっ!!髪の毛で花?」



「うん!」



「そんな事できるの?」



「できるよ!」



なんだか明日が楽しみになってきたあたし。



翔にも取り柄があったとは。




店に行く支度をしに、


家に帰った翔。



あたしは何度も鏡に映る自分の姿を見ると、


上機嫌に家を出た。