艶麗な夜華

恭也はマスターにウイスキーをロックで出すと、


その頼み事というのを話し始めた。



「口の軽いアンタにはまだ理由は言えないけれど、


2ヶ月程アルバイトとして喫茶店で使って欲しいヤツが2人居るんだ」



マスターは少し顔をしかめ、


ウイスキーを一口飲むと恭也に話す。



「アルバイトを雇うほど俺の店は忙しくないぞ?」



「わかってるよそんな事。


時給なんて面倒くせぇ事はナシだ。


1人月給12万。2人合わせて2カ月で48万」



「おいおい冗談言うなよ。


それじゃあウチは赤字だ」



「あぁ、そうだろうな。


だが、オーナー時代に俺で稼いだ金がまだたんまりあるだろ?」



マスターは煙草に火をつけると、


ゆっくりと煙を吸い込む。



「そんなもん女に使ってとっくにないさ」



恭也はマスターに灰皿を出すと薄ら笑いを浮かべた。



「前にトモコが言ってたなぁ。


アンタから貰ったブランドものは全部偽物で、


宝飾品はおもちゃだったって。


ケチな事言ってねぇで48万くらい出せ。


暇でやる事がないなら、


あの汚ねぇ店の掃除をさせるとか、


期待はできねぇが宣伝チラシでも作って配らせるとかすればいいだろ?」