艶麗な夜華

気がつくとあたしは、恭也の背中に抱きついていた。



「どうしたんだよ」



冷たく引き離す事をしない恭也。



そんな言葉を口にするつもりはなかったのに……



「恭也の傍に……居たい……」



どうしても不安で、


胸が痛くて苦しくて、


少し立ち止まっている間に恭也はどんどん先に進んでしまって、


遠くなって離れていって、見えなくなって……


だからあたしは気持ちがずっと焦っていて……。



こんな事を話せば、ますます恭也が離れていってしまうのに。



「沙希……」



静かにあたしの名前を呼ぶ恭也。



「ごめんあたし……こんな事言うつもりなかったんだけど……」