艶麗な夜華

あたしがなにかを言って、

変わる訳じゃない。


それに恭也は、自分の思いに押しつぶされて落ちて崩れて駄目になってしまうような弱い人間じゃない。


わかってるんだ……そんな事。


この思いから解放された時、

きっと恭也は今までよりももっと強くなって、

そしてあたしはまた、彼を遠く感じる。


だから今だけは……。


その手をギュッと握りしめた。


恭也の気持ちを思うと苦しくて、

早くこの絶望から抜け出して欲しいと願うのに、

恭也を想うと切なくて、

このままずっと傍に居たいと思ってしまうんだ。