艶麗な夜華

目が覚めると隣に恭也の姿はなく、

やけに暗い部屋の中、

ロールスクリーンの隙間から見える外は、雨が降っている。


時計はもう昼の12時を回るところ。

ベッドから起き上がり寝室から出ると、

リビングで1人、

ソファーに座りうつむいている恭也。


なにも言わず隣に座ると、

膝の上に乗った無気力なその手を握りしめた。


すると恭也が口を開く。


「今日は、臨時休業だ」


「お店、休むの?」


「あぁ…」


「それなら、あたしも」



しばらく静かな時間が流れ、

聞こえてくるのは雨の音だけ。


今、恭也がなにを考えているかなんて全くわからなくて、

でも、もしも自分を責めているのなら、

その必要はないという事を伝えたい。


───恭也


その名前を呼ぼうとしてすぐにやめた。