艶麗な夜華

いつもセットされているその髪の毛は乱れ、

顔にかかった前髪が表情を隠す。


「恭也……」


「帰れって言ってるだろ?」


「ブレイブの……」


並々に注がれたウイスキーの色は濃く、

握りしめているそれは……彼に出していたグラス。


恭也はウイスキーを一口飲むと低い声で話す。


「今の俺は……お前になにをするかわからない。

だから、さっさと出て行け」


音を立てテーブルに置いたグラス。


それを握る手には力が込められ、

そして震えている。


「1人に……できないよ……」


そう呟いた瞬間───


「弱い人間は嫌いなんだよ!!!!」


叫び声と共に床に投げつけられたグラス。



ガシャン


「キャッ」


バン


手が腫れるくらいの力でテーブルを殴り、

声を張り上げる恭也。


「なんでだよ!!いずれ必ず終わる時が来るのに、

なんでテメェで終わらすんだよ!!

天が迎えに来るまで黙って待ってろよ!!」


何度もテーブルを殴りつける手を握りしめ、

震える肩に触れた。


「恭也っ……」