艶麗な夜華

恭也に会うのが怖くて、

恭也の気持ちを思うとかける言葉なんて思いつかなくて、

それでも……1人にはしておけない。


息が整う間もなく開いたドア。

誰もいない店内。

カウンターにはグラスが数個並んでいて、

ジャズの音楽がいつもより大きく響いている。


バタン


ドアが閉まったと同時にボックス席から聞こえてきた恭也の声。

「今日はもう終わりだ」


泣いて……る。


此処から恭也の姿は見えない。


でも、たしかにその声は震えていて。



「恭也……」


ボックスへ行くとそこには、

握りしめたグラスを見つめる恭也。


「なにしに来た。帰れ」